2016年12月の読書メーター読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2416ページ
ナイス数:67ナイス
ツ、イ、ラ、ク (角川文庫)の
感想あとがきに「恋愛なるものの小説」とあって、なるほど納得。とある地域の小学生たちが、中学生になり、思春期を迎え、その中で変化していく意識と相違する主観の交錯に織り込まれた性欲と恋愛感情、彼らを囲む大人たちの思想と現実、その発露が生々しく描かれていました。ラストに、なるそどそう終結するのか、恋愛小説だ!! となるまで、恋愛小説と言われて想像するような内容ではないから、「恋愛なるものの小説」。あと、作者の主観(世界観のための主観?)で断言されているけれど、けしてそうではないよなぁ、という部分もあります。
読了日:12月1日 著者:
姫野カオルコ
小説新潮 2016年 11 月号 [雑誌]の
感想「脳はこんなに悩ましい2」は、へぇっ! てなること満載で脳みそピピーンと活性化。「大家さんと僕」は毎回ほっこり。「八人のゴメス」これからどうなるのかハラハラ。「硝子のコルセット」は透明な氷の上を滑るような感覚。この雰囲気のまま、どう流れていくんだろう。「鬼門の将軍」歴史的物事と事件がさらに複雑に絡まりはじめて、なるほどそうなんだ、でもだから今後どうなるの?! とドキドキ。「玄鳥さりて」そういう理由からだったんですね……。面影を追う気持ち切ない……。他にも色々と楽しませていただきました‼
読了日:12月3日 著者:
香水―ある人殺しの物語 (文春文庫)の
感想言葉は香りを表現するのに適していない、て書いてあったけれど、言葉でしっかり表現されていました。とても感覚的で情緒的で、嫌悪すべきことも主人公の感性を通せば素晴らしいものに感じられるし、相反しする感情がひとつの布地に織り込まれて身を包んでくるような、人の恍惚とした浅ましさが薄いヴェール越しにあるのに、消して触れられない位置にあるような、冷たく横たわる孤独と不理解、共有できない空しさ、というものが言葉という形を持って差し迫ってきました。すごく耽美で残酷で冷ややかな愛の物語。←眉を潜める場景多々あり作品です。
読了日:12月11日 著者:
パトリックジュースキント
小説新潮 2016年 12 月号 [雑誌]の
感想「永久コンニャク」考え方が、とてもステキ! 「白馬の王子」ぉお、おおー……、そうか、なるほど……。「変心」めちゃくちゃゾッとした。「おやすみ僕の睡眠士」ふんわりパステル絵みたいな雰囲気だけど、ピリッとした見解などが織り込まれていて、輪郭がクッキリしてて好き。「琴電殺人事件」急展開で決着な印象。そーゆーことだったのか……。「硝子のコルセット」地に足がついているようで、ふわふわした印象の話。たゆたいながら登場人物を眺めているような読み心地。「2分50秒」切な温かくて、毎回、目頭が熱くなる。他も色々楽しかった。
読了日:12月22日 著者:
壬生義士伝 上 (文春文庫 あ 39-2)の
感想主人公の語りの間にある、彼と関わりのあった人々の長い思い出語りが、他者視点の走馬灯を見せられているかのような雰囲気。主人公のみならず、その周囲の人々の出来事、語る人物の主観的印象や記憶、感情のもたらす感想がさまざまで、立場や考え方からくるものの多面性が面白い。作者は、まったく違った人物を演じられる、凄腕の役者か、はたまた何人もを内側に住まわせているのか、ってくらい、個人語りがリアルで引き込まれる。立合シーンなどが実体験として語られるから、淡々としているのに鳥肌が立つし、なるほど、そうなのか、と感心する。
読了日:12月23日 著者:
浅田次郎
壬生義士伝 下 (文春文庫 あ 39-3)の
感想ラスト、鳥肌が立ちました。なんてこと! 知らずのはずが、中心となる、というか、話の串となっている人物の願いを違う形で背負い、叶えようとしているなんて‼ うぉお……。解説に〈うまい〉という文字が飛んでいたけど、ほんともう、その他に適切な言葉がないというか、くどくど感想を述べると嘘くさくなりそう。繊細で感覚的な細糸がすばらしい布地になっている感じ。スレ違う気持ちや汲み合う思いが縒り集まり、昇華されていくのが、なんとも切なく心地よい義と情に厚い作品でした。
読了日:12月26日 著者:
浅田次郎
永遠の0 (講談社文庫)の
感想「感動作」と言われると、ものすごい違和感を覚える。なんて残酷な時間を生きた人たちなんだろう。中盤から後半にかけて登場する、主人公が当時の話を聞きにいった方の憤りに胸がつまった。過ぎた悲しみは怒りになるんだなって。狂気の時代に人を想えてた方、異常が日常だった頃の記憶は、平和な世になってどれほどの悪夢になっていたんだろう。それを多少なりとも想像し、受け止め噛み締めさせられる作品でした。
読了日:12月28日 著者:
百田尚樹読書メーター
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