2016年9月の読書メーター読んだ本の数:11冊
読んだページ数:4493ページ
ナイス数:36ナイス
誘惑のエチュード(ライムブックス ジ3-1)の
感想ヒーローとヒロインだけでなく、それに関する人々の結末も王道なので、そこは安心して読めます。ヒーローの悪友、いい人だ……。途中、というか、後半いくらか過ぎてからのヒーローの行動、来し方を考えれば不思議ではないのだけれど、個人的好みの観点から、一気に冷めてしまった……。でもきっと、私以外の人はトキメキ・ポイントのひとつだと思います。
ヒロインの自己評価の低さと生真面目さ、ヒーローの自己評価の高さとうぬぼれ(そうなってしかるべしな環境の生活だから当然だけど)が作る心の壁は、呆れるほど分厚くて自己暗示すごい強固。
読了日:9月3日 著者:
ニコール・ジョーダン
日本の文学〈第23〉谷崎潤一郎 (1964年)の
感想中編が中心地。「刺青」と「少年」は、とても官能的でした。性的描写はないのですが、心理的エロスというか、そういうものに包まれていた。「小さな王国」は、皮肉めいた軽快な感じだけど、オチがちょっと怖い……かな? 落語の雰囲気に似ていると思いました。「猫と庄造と二人のおんな」は、滑稽話っぽい雰囲気。あとは、しっとりしたものや、いかにも文学な感じのもの。どれも、すいすい読みやすく、情景がたやすく浮かぶ作品でした。
読了日:9月5日 著者:
谷崎潤一郎
ラストソング (講談社文庫)の
感想スピード感あふれる、青春小説。出会いがきっかけとなって、転がるように転機に弾き飛ばされて……。まるでピンボールのよう。主人公「私」の語りが基本ながら、それぞれの心情が織り込まれているので、思惑や感情の対峙がよく見えます。が、人によっては読みにくいと感じるかも?
読了日:9月5日 著者:
野沢尚
朽ちる散る落ちる (講談社文庫)の
感想大きな世界の、というか、事件? 思惑? のうちの、ひとつの出来事。解決をしても残るミステリー。緊迫した、堅苦しいものになりそうなのに、ちょっと惚けた登場人物たちの会話や態度が、不思議なやわらかさを醸しています。でもそれが、なんだかちょっと寂しげに感じるのはどうしてだろう? 数学的なことは私、さっぱりですが、織り成す思惑はとても面白かった。数学的な固い部分と詩的な表現が折り重なって、異世界を体験している気分になりました。シリーズの他作品も気になるなぁ。
読了日:9月7日 著者:
森博嗣
損料屋喜八郎始末控え (文春文庫)の
感想チャンバラでもなく、人情話でもなく、けれど、そのどちらでもあるような作品でした。上司がこういう人だったら、いいだろうなぁ。綺麗事ではすまされないけど、その部分はあえて抱えて、それでも悩み続けて、裁くだけでなく世の中のために目こぼしをする……。スパッと爽快ではないけれど、人の世は「そこはそれで」と、周囲を見なければ単純に決着をつけられるものじゃあ、ないんだよなぁ。よきとこもあれば、わるいところもあり。風評の立ち方とかも、あー、あるねぇ、と納得の、暮らし中での物語でした。
読了日:9月14日 著者:
山本一力
永遠の誓いは夜風にのせて (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)の
感想ロマンス小説というより、おてんば娘の恋愛と冒険の物語、という印象。男女のことをあけすけに話す登場人物に、ちょっと面食らったけれど、とてもコミカルにテンポよく進むので、すぐに慣れました。というか、こういうこと言う人、たまにいるなぁ……、て、感じ? ロマンスロマンスしていない、というか、主人公のポーンとゴム毬が跳ねるような言動に付き合っていくうちに、ちょっとした冒険に発展した、という感じ。主人公たちを取り囲む人々、全員がキャラ濃いのがすごいなぁ。
読了日:9月16日 著者:
キャサリン・コールター
もぐら (中公文庫)の
感想ハードボイルド。とある事情で孤高のトラブルシューターになった、強い男が麻薬関連の事件に関わって……。過去の出来事と、きれいに絡み合って終末。だけど、ヒーローはヒーローとして称賛されて……、じゃない、苦味の残るラストでした。ちょっと青年漫画みたい。けっこうショッキングな描写があちこちにあるので、そういうの苦手な方は注意です。
読了日:9月17日 著者:
矢月秀作
うつしゆめ (徳間文庫)の
感想後日談てきなもの、めっちゃある、と思ったら、もともと発売された電子書籍の本編に、個人サイトに発表されていたアレコレをまとめたものだったんですね……。本編の、ふわっと不思議な雰囲気と、後日談の雰囲気が違うので、読了時には本編の余韻が消えました。本編の、弱さを認められない強さ、あるいはその逆と意地を描く、ミステリーぽい雰囲気が、面白かったです。後日談部分は、青春小説だな、という感じ。
読了日:9月18日 著者:
那識あきら
恋する死体 警視庁幽霊係(祥伝社文庫)の
感想コミカルな事件簿。幽霊やら変わった人物やらが満載で、軽快な展開でした。犯人判明と動機を知って、なるほどー、て前半を思い出しました。それほど、ややこしい動機とかではなく、だからこそ人間って……(;´д`)て、なる結末。これから、どうするんだろうと心配になる人物もいつつ、殺害方法とか、面白かった。
読了日:9月20日 著者:
天野頌子
赤まんま―慶次郎縁側日記 (新潮文庫)の
感想吉次さんの、いいことをしようとして、いつも空回ってしまって、チェッ……、てなるのが毎回、なんとも言えなくいとおしいというか、かわいらしいというか……。いえ、蝮の親分に失礼だとは思うんですが(笑) うつろう人の気持ちの奥にある折り重なった思い出の作用。死した人の面影に悔恨を重ねて、悩み立ち止まる人情。素直になれないというか、言葉の選び方を間違えたあまり、なんだか妙な具合になってしまう人間模様。それでも、続いていく人の世の妙味を、今回もしみじみと味わわせていただきました。
読了日:9月20日 著者:
北原亜以子
武打星 (新潮文庫)の
感想さわやか、というか、スッキリとした読了感。主人公の、流されてるように思えて、分岐点ではきちんと自分で決めているところに好感。考えすぎないからこそ、感覚として、とんでもないことに飛び込んで、けれど、あっけらかんとしているわけでなく、当然の悩みを抱えている部分や、状況的焦燥は年代問わずに共感できるかと。アクション描写は、わかりやすいしカッコよかった。考えすぎないぶん、自分に正直、というか、自分の気持ちに従って選択するって、大切だなぁ……。ラスト、どうなることかとハラハラしました。
読了日:9月25日 著者:
今野敏読書メーター
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