2016年8月の読書メーター読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2608ページ
ナイス数:46ナイス
玄鳥 (文春文庫)の
感想短編集。人生の転機であったり、決別であったりするんだけど、幸せだとか正解だとか、はっきりとしたものではなく、あくまでもグレーゾーンで、どうしようもなく他者との関連から生ずる己の人生、という、他者から見ると、ささいに感じる、当人たちにとっては静かながらも大きな変化を描いた物語たち。後味が苦かったりするものもありつつ、ラストの話は、端から見たら残念な結果だけれど、当人からしたら幸せな結末で、温かいものを胸に滲ませつつ読了。
読了日:8月2日 著者:
藤沢周平
小説新潮 2016年 08 月号 [雑誌]の
感想怪談は、ただ怖いだけではく、なんとも後味が切なく苦しいものもあったり……。そっちの結末かー、となるものがありました。「吾輩も猫である」は、各作者ごとに、猫に対する認識が、とても違っていておもしろかった。「大家さんと、僕」は、今回もじわじわほっこり。「BUTTER」は、爽やか(?)なかんじ。「邯鄲の島」は、前回までの流れが、ここでこんなふうに生きてくるのか‼ 「玄鳥さりて」ドキハラ心配なところで次回へ。ほかにも色々、今月も楽しませていただきました。
読了日:8月5日 著者:
日本の文学〈第20〉 武者小路実篤 (1965年)詩・お目出たき人・友情・愛と死・真理先生・愛欲の
感想「友情」昔、読んだときとは違った見方をしながらも、やはりラストの主人公の態度と心情の吐露は、唸るほどに素晴らしいと、感じました。「愛と死」さらりと読みやすい、やるせないラストをむかえる話でした。「お目出たき人」「真理先生」は、儒教的、宗教的、思想的な要素の強いもので、作者の求めるものを、作品としてひたすら訴えているのかな、と。「愛欲」舞台の台本。タイトルそのままの、愛欲のための不義による悲劇と、それでも憎み合えない人情の物語。
読了日:8月15日 著者:
武者小路実篤
言葉はいらない (ハーレクイン文庫)の
感想ページが薄いのは、展開が早いからで、丁寧に心理の変化をかいていったら、なかなかの長編になるだろうな、と感じました。だから、ちょっと心理の展開に置いていかれそうになるので、必死に追いかけて性格や境遇と重ね合わせて、なんとか汲み取ろうとするかんじ? ちょっと昔の少女漫画のような展開でした。
読了日:8月15日 著者:
エマゴールドリック
脇役―慶次郎覚書 (新潮文庫)の
感想慶次郎縁側日記の、慶次郎のまわりにいる人々の短編集。つまり、慶次郎が主人公の物語の、脇役たちのお話。ですが、これだけでも充分に楽しめます。というのも、それぞれの人生と向かい合う形の事件(当人にとっては、という場合と、ほんものの事件の場合と)を通した物語だから。どれもしみじみと、いわゆる大人の分別で、思いきったことを考えつつもできなかったり、わかっているのに改めれなかったり、打ち明けられぬ心の澱を、ようやっとすこしだけ流せたり……。あの、いかにも無頼ものな吉次さんの葛藤とラストが、特にいとおしかった。
読了日:8月16日 著者:
北原亞以子
やさしい男―慶次郎縁側日記 (新潮文庫)の
感想表題作の「やさしい男」は、なんとも言えぬ、やわらかなもどかしさに打ちのめされる、暖かくも悔しい気持ちになる作品でした。その次の「除夜の鐘」の、メインふたりの思惑の対比と思い込みの恐ろしさ、恋しい女と愛しい女房にひとり心を震わせる男のささやかな覚悟の情愛が、身近な心情の吐露の折り重なりに感じられて、ラストの晃之助のセリフに、受け止めたもどかしさを代わりに吐き出してもらえた気分になりました。
読了日:8月17日 著者:
北原亞以子
オー・マイ・ガアッ! (集英社文庫)の
感想ぶっとんだストーリーの中に織り込まれた考察と教訓とが、コミカルな雰囲気を崩さずに同居しつつも胸を打つ作品。登場人物たちの言葉遣いもザックリとした、俗なものになるのもテンポを高めたり、展開を深刻化させない妙味となっているのに、深く意識に刻まれる、ハッとする言葉が浮き上がるのが、すごい。
とてものこと説明できない作品。ただひたすら、おもしろかった❗
読了日:8月22日 著者:
浅田次郎
小説新潮 2016年 09 月号 [雑誌]の
感想謎とサスペンス特集「萌木の~」は、とてもかわいくて、なるほど、こういう謎とサスペンスもあるのか青春だなぁ! でした。「隠蔽捜査」新連載、まってました! 吾輩も猫である(後編)「飛梅」ほんわか。「そもそも」は、ほんと毎回、なんとなく、を、言語として気づかせてもらえたり、なるほど、てなって、脳みそ開く感じが、読んでいて気持ちいい。「邯鄲の~」子どもたちの気持ちが健気で、今後にドキドキ。「北海タイムス物語」目頭が熱くなりました。「八人のゴメス」ま、まじで?! ほかにもいろいろ、今月も楽しかった。
読了日:8月30日 著者:
孤独なき地―K・S・P (徳間文庫)の
感想最後まで読んで、タイトルの意味を理解。……だけど、そうなっちゃうのかぁ。やるせないというか、モヤモヤするというか、後味さっぱりしないのは、世の中のしがらみや思惑の交錯がほどけないまま続く、ぶつ切りの世界の話ではないからなんだろうけど……。初っぱなから、とんでもない場面からはじまって、次々に問題が出てきたり手がかりが出てきたり消えたり……。あちらこちらと思惑が絡み合って、落ち着く間のない目まぐるしさと迫力でした。サダの老婆の存在感が、思考休めの妙味でした。
読了日:8月30日 著者:
香納諒一読書メーター
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