2016年5月の読書メーター読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2866ページ
ナイス数:66ナイス
駆け込み団地の黄昏 (集英社文庫)の
感想登場人物のほとんどが、ちょっとしたことで抱えていたものを噴出させて「壊れ」るか、命を失うかしていく姿に、人間の当たり前の「もろさ」をいろんな方向から見せられた気になりました。でも、最後まで弱くても自分として立っていられる人、自分を失いきれない人がいて、やるせない希望のようなものが、ほんのりとしたギリギリの救いとして残っていたように思います。
読了日:5月1日 著者:
赤川次郎
珍妃の井戸 (講談社文庫)の
感想これ単体でも読めますが、蒼窮の昴を読んでからだと、さらに楽しめます。ミステリー風に織り成す物語は、外側から状況を把握できる文体に、臨場感たっぷりと語り口調で描かれる食い違う証言とで、真実に近づいているような、遠ざかっていくような不思議な感覚にとらわれます。そしていよいよ謎の解明の部分では、ミステリーというよりも、人の有り様というか、誰もが善人であり悪人であるという人間個人の中の混沌と、一片の汚れもないことの恐ろしさ、清らかさが放つ畏怖を突きつけられ、広野に呆然と立ち尽くしているような心地にさせられました。
読了日:5月10日 著者:
浅田次郎
限界集落株式会社 (小学館文庫)の
感想ちょっとファンタジックでもある、エンターテイメント小説。だけど、リアルにあり得る出来事がちりばめられていて、取材・研究力に支えられた読みごたえのある作品でした。なかなかにスリリングな背景を持つ人が、ハラハラした展開の起点となったり、現代社会の問題をさらりと含ませたり。そんなうまいこと、とツッコミたくなる裏に厳しいものがある。けれど、さらりと読みやすく織り込まれていて、面白かった。そして、なんでも【はじめる】ことにまつわる困難や基盤作り、意識はおなじなんだなぁ、とも思いました。
読了日:5月10日 著者:
黒野伸一
小説新潮 2016年 05 月号 [雑誌]の
感想特集の「大人のための青春小説」は、青春というキーワードの幅広さに目から鱗でした。パッと浮かぶ青春という名の広く知られた認識とは違った切り口や、やんわりと包むような青春の解釈がなされたとりどりの作品、面白かった。「カズサビーチ」は、人びとのやりとりに、ほっこりしました。「そもそも」ほんと面白い。「BUTTER」の持つ味や匂いは、毎回ゾクッとします。「邯鄲の島遥かなり」どーなっちゃうのかハラハラで終わったので、次回、気になる! 他にも色々、今月号もたっぷりと、楽しませていただきました。
読了日:5月11日 著者:
精霊の守り人 (新潮文庫)読了日:5月15日 著者:
上橋菜穂子
闇の守り人 (新潮文庫)の
感想「精霊の守り人」の続巻。初巻の巻末でバルサが向き合えるようになった過去の自分と、それを取り巻き現在でも続いている現状の織り成す物語。澱のように凝っていたものと、はっきりと向き合い、自分のものとして受け止めるバルサと、バルサの過去の出来事に深く関わっていた人々が、それぞれに過去と対峙し前を向く様が、面白かった。バルサが若くない、ということで、他者への配慮を織り込んで自分の行動をきめる思慮深さが素敵です。
読了日:5月19日 著者:
上橋菜穂子
ボディガード 二ノ宮舜 (講談社文庫)の
感想個人レベルの事件に、社会問題と人々の思惑、世界情勢を巧みに織り込んだエンターテイメント作品。そこそこ分厚い本でしたが、すらすらと楽しめました。
読了日:5月19日 著者:
渡辺容子
徳川家光(1) (山岡荘八歴史文庫)の
感想秀忠の、いよいよもって命危うい病床のときに絡む家光の苦悩から、ふっきれる(?)というか、頭角を表すというか、いよいよ将軍としての存在を世に知らしめるところまで。状況や思想が、周囲の人間や時代によって、暗愚となったり傑物となったり、ほんの小さな差や思惑の交差など、目まぐるしい一巻目でした。
読了日:5月21日 著者:
山岡荘八読書メーター
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